はじめに
UI Crunch #13 娯楽のUI - by Nintendo - - connpass こちらに行ってきました、当選して嬉しかった…
多分詳細なレポートは各メディアの方々が書いてくださっていると思うので、自分なりのまとめ方をします。多分読みづらかったりすると思うんですけど、適当に流し読みしてください。
任天堂のデザイナーの発表なんて初めてで、めっちゃわくわくして聞いていた。面白くて感動してしまった。多分、一生懸命ゲームを作っている姿に感動してしまったのだと思う。
冒頭、今回は応募倍数が凄まじく、聞きたかった人のためになるべく感想など書いてくださいね!というかんじで挨拶されていた。Twitter実況枠やnote枠などレポートする枠が多かったので、「レポートの練習しましょうか?」とニンテンドーラボの資料を見せながら、レポートの取り方の練習。
正木さんがニンテンドーラボのデザインマテリアルの資料を画面に映して、ニンテンドーラボは色の要素をCMYK、印刷の色表現で構成している。また、差し色としてはK(墨)と使っている。と説明をする。「どうですかね?このスピードで皆さんいけそうですか?」と、ゲームのチュートリアルさながらでもうここで感動してしまった。
あそび心とUI
まず、UIとは?という認識合わせから始まった。「UIとはなんの略でしょう?」とクイズという形で私たちに問いかけて、そのあと映された画面には60個くらいの選択肢が出てきて驚いた、この中から探すのか!と一生懸命探すけど時間終了。正木さんに「みなさんならUIの正式名称くらい答えられると思ったんですけどね…」って言われてふふってしてしまう。ここで言っていたことは、私たちが思っている以上に選択肢が出てしまった(出ても3択くらいだろ)、情報が過多だったこと。クイズとしてふさわしいインターフェイスではなかったため、時間内に私たちと伝えることができなかった。ということだった。この話は任天堂の新人UIデザイナーの研修の一環で話されるそうだ。面白く学べてすごい。
伝え方の心がけ
ニンテンドーDSのドット時代からのUIデザインをされている正木義文さんからの発表、新人UIデザイナーの研修で話す「伝え方の心がけ」についてと続いた。
教える事より体験してもらう事
先ほどのクイズの導入を体験してもらったように、まず体験させる事が早い。よく「ユーザーの立場になって…」といわれるが、そうでなくて、まず自分がユーザーになって体験する。想像と現実を埋めることは難しいので、まずはやってみせよということだった。当たり前のことだけど改めて言われると、何か考えるときやっぱちょっと第三者目線で考えているな〜とか凝り固まっているな〜と思った。さっきのクイズを体験しているからより説得力がある。
初めての体験は貴重
新しい靴を履いた時は特別な気持ちになっているけど、だんだん時間が経ったら忘れてしまう。だからやっぱり最初の体験は貴重、との話だった。個人的にはUIは人の顔や立ち振る舞いに似ているなと思っていて、いつも新しい話題や新しいことやっている人ってそれだけで話題が尽きないし面白いなあと思うので、いかに新鮮でいるか。という話でもあるのかなと思った。
体験はやっぱり面白く
簡単だとか、ラクができるとかではなく、感情を突き動かすようなものがやはり面白い。面白いものは感動になって忘れられないものになる、ということであった。想像を超えることが起こると人は感動する。お客さんと直接何かを伝えることはできないので、UIを通して伝える。これらの話を研修でお話しするそう。やっぱり娯楽品であるゲームのUIを考えるためにはこれくらい遊び心がないとなあと思った。
そういえば先日Twitterで見たログインフォームとかよかったなぁ、入力は億劫なものだけど、フォーム埋めているとクマがほわあ〜って喜んでくれるのが面白くてこりゃ入力してしまうわ〜って思った。
こんなログインフォームやばいでしょ、優勝。 https://t.co/ZFXIZNv6wB pic.twitter.com/sCPhYGdsC4
— コーイチ (@koysd) 2018年5月1日
マリオメーカーのUIのはなし
マリオメーカーというゲームを例にUIの話をしてくださった
マリオメーカーとは、マリオのステージコースを自分で作って遊ぶソフトで、作ったステージをシェアして遊んだり遊んでもらったりするゲーム。ただ遊んでクリアするっていうゲームではなく、ステージを作るツールとしての側面がある。管理や設定画面として高機能さが求められるし、高機能ゆえに複雑になりすぎないようにわかりやすさも両立しなくてはならない。このトレードオフをゲーム内でどう表現したかというのを、ゲーム画面の動画を見せてくれた。
アイテムをステージ上に配置しようとしたら細かいインタラクションが走る、例えば甲羅を天井に近づけたら甲羅が天井の方を向いて、貼り付けられるんだと直感的にわかるようにするだとか、クリボーにキノコを重ねると、大きくなる、さらにキノコを与えるとゴホッ!っとキノコを吐き出してこれ以上は与えられないとわかる。説明文など複雑になりそうなものは極力排除して、アイテムを触ってその反応を見て高機能を自ら発見していくというUIにしたという。
読むものが多くてわかりにくい、ではなくて、ここにアイテムを置いたら何が起きるのだろうかと自分から試して探してしまうUI。長年マリオシリーズに出てきたものが自分の手で操れるんだから、そりゃ色々置いて、え、こんなこともできるんだな、みたいな無茶も高機能だから楽しめる。
また、マリオメーカーはWiiUのソフトで、手元にゲームパッド(タブレットみたいな大きさのコントローラー、これでスプラトゥーンやってたとか嘘みたいだな)の画面タッチしてアイテムを置いてステージを作成する。そのとき、テレビ画面には人の手がアイテムを置いている様子が映る。テレビ画面内に手が出る演出は、いるのかという声があったが、これはプレイヤー以外がそのステージ作成している風景を見て楽しめるようにするため。小さな画面でちまちまやっていて、大きい画面で何も変化がないよりかは、家族や友達など周りの人に見て楽しんでもらうための演出だそうだ。これすごく重要で、ゲームって自分でプレイするだけじゃなくて隣で見てるのが楽しかったりするし、それを含めてゲームを遊んでいる空間だなと思う。こういうところに遊びの工夫はあるのだな。
まとめ
マリオメーカーのUIを考える上で、3つのポイントでまとめていた。
UI脳と娯楽脳の二人三脚
短所を娯楽脳で長所へ
- つまらないものを娯楽脳でかえる
- 例えば、息子は歩くのが大人に比べて遅いのでトイレ行きたいけど早くたどり着けない、だから競争しよう!という娯楽脳で提案する
将棋3席 麻雀5席
- それぞれ、ひとつずつ参加人数が多い
- 娯楽を見ている人、娯楽の共有の価値は今も変わらずにある
- 娯楽を触れている人以外も娯楽体験ができる
- 必ず席をひとつ準備する
改めて見返してみると、とても基本的な内容だった。だけどその基本的なことをまっとうにやる難しさよ…。正木さんの発表はすごい朗らかでそれでいて基本はしっかり抑えている発表だった。ユーザーとその周りのことをよく知っている人の話だったなぁという感想でした。他の方の発表はまた分けて書きます。