mazcomemo

i can't help it.

リアル

大人になってからはたまに会うくらいの仲になったけど私の幼なじみとテレビを観ているとよく言う感想がある。「リアルじゃない」という感想だ。
恐らく幼なじみはこの言葉の本当の意味などわかってはいない。感覚的に言っている。久しぶりにこの感想を聞いたのは、海外作品の日本の描写を見た時だった。その描写はよくみる日本人のサラリーマンの職場や、居住区の一室の小道具などだった。和風っぽいものが何故かある。というトンチキ描写に関してである。普通ではない、なのでリアルではない。よくある話だ。
では幼なじみの考えるリアルとはなんなのか?いつもはそうだねぇ〜なんて言うけど悪戯心に自身の考えるリアルとはなんなのか?と深ぼってみた。彼らのいうリアルじゃないは、やたらと写実的で、地味で、馴染んでいるリアルではない。現実的にこんなことはない。という意味で映像作品に対して言っていた。自国の文化や雰囲気を知っているからの違和感だろう。一理ある、が意地が悪いので、じゃあ私の部屋はどうなのか?と言った。私は日本人であり、一般的な生活をしているが、家具や小物、身に付けている服に関していわゆる古風な和風と呼ばれるものはなかった。私が日本に生きるリアルなのであれば、この私の部屋を仮に作品内で描写するとしよう。ただそれだけだと、その風景が日本であると特定するのは難しいのではないか?と言ったらバグったのかなにも言わなくなってしまった。自分が何故感覚的にそう思ったのかという俯瞰があるとないとで幼なじみの言葉の受け取り方が変わる。ひとつひとつ矯正つもりはないが、無邪気に目に入るものに対しての考え方が違うのだと、ここで私と幼なじみで違うのがわかる。
リアリティ番組と言われるもののトリックを見ているようだった。人は視覚的な要素に無意識に作用されているしその画の力はとても強いのだ。なにがリアルなのか?そのリアルは誰のものなのか?自分は何故その感情をもつのか考えて触れていかなければな、と折に触れて感じる。