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i can't help it.

その成れの果てとその鳴れの果て

京都出張、滞在日最後の土曜の遅い朝。喫茶店でお茶をしていたら、東京にいる友人が京都にいたのをSNSで目にする、連絡を取り合っていたらなんと友人も同じ喫茶店に居たので、対面を果たす。軽く近況を話してまた東京で、と店を出て東京に戻る。

その足で友人の尾花大輔さんの個展へ向かう。去年京都でも開催したその成れの果て巡回展。京都の展示も行ったのだけど、その時に比べ、スペースが5倍ほどあり追加の作品もあった。普段の付き合いとは違う一面が垣間見える。本当は仄暗い闇の中で青い炎を燃やすような人なんだ。

この日は、中村佳穂さんのソロライブを個展内イベントとしてその鳴れの果てが開催される。グランドピアノを囲むような席の配置。中村佳穂さん、昨年末のアルバムで話題になっているを知っていたくらいなのだけど、50人ほどが入る会場で間近で観られるなんて嬉しい。会話するように歌って、身振り手振りをするようにピアノを弾く。あまりの存在感に圧倒されてしまった。とても楽しそうにライブをしていて、とても羨ましい。私はピアノなんか弾けないし音楽の才能もないのだけど、羨ましい、何かしてみたい、そういった希望や活力や嫉妬を他人に与えて揺さぶる事ができる人はきっと本当のアーティストってやつなんだろう。

そんな中村さんはすごく気さくで自然体で、本番前は物販の横に座りノートにペンで何か描いていた。覗き見したところ、絵の面を斜線で黒く塗りつぶしているところだった。本番ではピアノの上にそのノートが置かれていた。

圧倒的なライブが終わり、中村さんに泣いてしまいましたと感想をお伝えしてアルバムにサインまで頂いて、ライブも個展もよかったですねなんて知り合いと話して会場にだらだら居残っていたが、出張帰りだったこともあり打ち上げなどはお邪魔せずにそのまま帰った。

尾花さんの個展しかり、中村佳穂さんのライブしかり、普段なら比べてしまい何もできず何もない自分に落ち込んでしまうのだけど、今日に限っては何故か、私にも何か作れるんじゃないか?と思わせてくれる人が周りにいる、それは幸せなんじゃないか?と思える日だった。こう思える日が増えればいいなと思う。

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