花を買った。最寄りの駅前に花屋がある、たまたま疲れて帰ってきてマッサージでも寄って帰ろうか迷っていた時だ、まだ春先の肌寒さが残っているなかで黄色く鮮やかに咲いていた花を見かけた。マッサージと花を天秤にかけて、した事がない方を選んで、花を買った。花を買うなんて今までしたことがなかった。値段もそんなにしないと思った、そんなにっていうのは2〜3本で800円くらい。これが高いのか安いのかはわからないけど、そんなにしないと思った。
花瓶はないのでワインのデキャンタ用に買った100均の瓶に入れた。切り花用の水に混ぜる栄養剤も20円とかだし一緒に買って、置く場所なんかないから適当に目に入るところに飾る。それだけで普段生活していたら見ない色がそこにあった。
たまに3日にいっぺんくらい気が向いたら水を変えて、陽が当たるように邪魔だけどテーブルのど真ん中に置いたりして、それだけでも楽しかった。なんだかんだ3週間くらいは綺麗に咲いていたと思う。それからというものの、気が向いたら花を買って飾っている。
多分これは「たまに自炊するか」みたいな感覚で、普段食べない葉物や魚を買って採る行為に似ていると思っている。店先に行くと季節に合わせて野菜や魚が変わるのと同じで花も変わるのが似ている。そうやって季節の移ろいを見ているのだと思った。
